肺炎は、風邪や気管支炎などをこじらせた結果肺にまでウイルスや細菌が侵入し、肺の中にある肺胞にまで炎症が広がってしまう病気のことです。ただでさえ重い病気である肺炎ですが、赤ちゃんの場合には大人に比べて重症化しやすいため、特に注意が必要です。
原因としては、ウイルス性肺炎、細菌性肺炎、マイコプラズマ肺炎の3つが主なものです。ウイルス性肺炎は子どもにおける肺炎の約50%を占めるものです。これは、風邪のウイルスやRSウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルスなどによって引き起こされ、40度程まで上がる熱が特徴的ですが、症状が風邪と似ているためただの風邪だとして見過ごしてしまうこともあります。細菌性肺炎は、症状がとても重く出ます。肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、溶連菌などが原因で起こり、突然の40度前後の高熱、痰の絡んだ激しい咳をし、時に痰に血が混ざることもあります。重症化すると呼吸困難に陥ったり、嘔吐や下痢の併発、肺に膿がたまるといったような合併症を引き起こすこともあります。マイコプラズマ肺炎は、比較的軽い症状で済むといえます。ウイルス性肺炎のような風邪のような症状に加えて、痰の絡む咳が長期にわたって続くのが特徴です。
症状が出ても、風邪と区別することが難しいため、気付くのが遅れる可能性があります。ただ、風邪であれば症状はだんだん治まってくるのに対し、肺炎である場合には症状が改善される気配がなく、症状が長引くという特徴があります。
治療に関しては、その肺炎が何性のものなのかということで変わってきます。ウイルス性のものであれば、気管を広げるための薬の吸引などが行われた後は自宅安静で、入院の必要はありません。また、細菌性の場合は入院が必要です。細菌性は症状が悪化しやすく、抗生物質の投与、呼吸困難時の酸素吸入、脱水症状の際の点滴などの対症療法を行うため、1~2週間程度の入院が必要です。また、マイコプラズマ肺炎は、症状が軽いのであれば抗生物質を飲みながらの通院での治療が可能です。
家庭でのケアについては、その他の咳を伴う症状と同じように部屋の湿度を高め、咳で息苦しくならないように寝かせる際は背中に小さなクッションを置くなどして楽にさせてあげ、こまめな水分補給ととらせることが大切です。なにより、肺炎は治療することができる病気なので、風邪のような症状でも放っておかずにしっかり病院へ行くことが大切です。